第29回 活動方針案【4】

【4】安全の確立に向けた取り組み

労働組合は、安全施策と社員安全意思レベルの衰退について危惧しています。経過報告でも述べた通り、軽微とはいえ事故の発生は少なくはありません。安全施策の統一化、効率化により一見進化したように思えますが、安全施策の形骸化は急速に進み、新しく入られた社員の安全意識が追い付いていないように思えます。
 例えば、気がかり活動では件数の減少が進んでいます。キントーンの導入になって集計の効率化を図ることができました。その反面、パスワード・入力の手間、閲覧のしにくさなどの手軽さを失い、自現場での共有や、他現場の気がかり内容の関心も含め、気がかり離れが起きているように感じます。
 また、未完了に対する案件に対しては本社、支店の対応から現場では未完了案件は掲示せず完了しているものだけを篩にかけている現場もあるかもしれません。未完や提案型などの自現場で判断出来ないものは掲示せずに完了案件だけを提出するように暗黙のルールが出来ていないか懸念しています。
 丸山社長時代の「気がかり」の考え方は、内容に拘らず「思ったこと何でもいいので、沢山出して欲しい」という思いでした。それは、社員に気軽に「気がかり」を見つけ提出させるクセ付けを狙っていたからです。先ずは出させ、その中から本当に重大なリスクが隠れていないか見つけ出すためです。数千件の中から1つでも重大なリスクに気づくことが出来れば十分に安全施策として機能としていると言えます。気がかりを出してもらわなければ重大なリスクを見つけ出すことは不可能です。
 
 5S活動に関しても、従来の考え方や趣旨が理解されておらず、5S活動=掃除となっており、取り組みに関して清掃に偏りを見せています。5S活動の目的は、職場からの「ムダ・ムリ・ムラ」を取り除き、効率化と職場の安全性を向上させ5S活動を通じて社員の育成をおこない企業としての成長と利益を出し続けることを目的に導入された施策です。因みに社員安全意思アンケートは、もはや意味の無い施策になっています。社員は、何をどう答えれば正解か気づいているからです。
 
 RAに関しても同様に形骸化した施策になっています。もしかしたら、RAをしなくてもよいと解釈している社員がいるかもしれません。なぜ?RAが形骸化したのか。それは、進め方や様式を進化させずに実施について緩和したことが考えられます。現状安全施策は衰退し、社員の安全意思レベルの低下からいずれ大きな事故を発生させてしまうと労働組合は危惧します。
 
 そして、一番企業が恐れなくてはならないのは隠蔽です。クライアントからの苦情で事故が発覚することです。今行っている安全施策は、過去に取り返しのつかない大事故が起きたから再発防止のために行っていることを忘れてはなりません。時代は繰り返します。社員の死亡労災、クライアントへの莫大な損害賠償が発生して初めて気が付きます。
 
 労働組合は、これまで以上に安全衛生委員会や団体交渉、労使協議会で強く会社側へ安全に対する考え方と人に左右される安全取組ではなくシステムによる安定した安全施策の構築を強く訴えていきます。

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