第29回 活動方針案【2】
【2】私たちを取り巻く情勢
~ 国内情勢の特徴 ~
(1) 経済の見通し
≪ 食料品価格上昇の影響も見られるが、日本の景気は緩やかに回復
≫
日本の景気は、一部に弱めの動きも見られるものの、緩やかに回復していると判断されています。輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引き上げに伴う駆け込みの動きがみられましたが、基調としては横ばいの動きを続けています。企業収益も改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しています。
個人消費は、食料品価格の上昇による節約志向の強まりの影響が非耐久財消費にみられるものの、全体としては実質雇用者所得の改善に支えられて緩やかな増加基調を維持しています。今後は、トランプ関税に端を発する各国の通商政策等の影響を受け海外経済が減速し、日本においても自動車輸出を中心に対米輸出が減少するなど、国内企業の収益などが下押しされるものとみられています。
≪ 消費者物価指数が3.5%上昇、実質賃金は3年連続マイナス ≫
2025年1〜3月期実質GDP成長率は、前期のプラス成長からの反動により、年率換算で▲0.7%と4四半期ぶりのマイナス成長となりました。IMFは、世界経済見通しにおいて2025年の日本の成長率を0.6%と見通し、1月時点の予測から0.5ポイント引き下げました。
2024年度の毎月勤労統計調査によれば、前年度から3.0%増加しましたが、消費者物価指数が前年度より3.5%上昇したため、実質賃金は前年比▲0.5%となり、3年連続のマイナスとなりました。給与総額は伸びているものの、近年の物価高に追い付いていないことが浮き彫りとなりました。
日本銀行は、5月2日に公表した「経済・物価情勢の展望」の中で、消費者物価(除く生鮮食品)について、これまでの輸入物価上昇や、コメなどの食料品価格上昇の影響が徐々に減衰していくことなどの影響から、2025年度を前年度比+2.2%となる見通しを示し、1月公表時の+2.4%から引き下げました。
日本銀行の予測どおりとなれば、消費者物価指数の上昇率は2022年度から4年連続で2%を超えることになります。
(2) 政治の動向
≪ 与党の過半数割れにより存在感を増す野党、内閣支持率は低迷 ≫
2024年10月に実施された第50回衆議院議員総選挙では、自民党派閥による政治資金パーティーの収入不記載問題などを受け、自民党が大きく議席を失い、自民・公明の与党で15年ぶりに衆議院で過半数割れとなりました。与党が過半数割れとなったことにより、野党の存在感が増しています。昨年12月には、28年ぶりに政府の予算案が国会審議で修正され、補正予算が成立しました。また、年収の壁の見直しをめぐっても、野党の意見が反映されるなど、近年にない動きがみられます。
これまで与党内で実質的に決められていた税制や整備新幹線などの重要課題について、野党を含めたオープンな場で議論され決定されていくことが期待されます。
(1) 経済の見通し
日本の景気は、一部に弱めの動きも見られるものの、緩やかに回復していると判断されています。輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引き上げに伴う駆け込みの動きがみられましたが、基調としては横ばいの動きを続けています。企業収益も改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しています。
個人消費は、食料品価格の上昇による節約志向の強まりの影響が非耐久財消費にみられるものの、全体としては実質雇用者所得の改善に支えられて緩やかな増加基調を維持しています。今後は、トランプ関税に端を発する各国の通商政策等の影響を受け海外経済が減速し、日本においても自動車輸出を中心に対米輸出が減少するなど、国内企業の収益などが下押しされるものとみられています。
2025年1〜3月期実質GDP成長率は、前期のプラス成長からの反動により、年率換算で▲0.7%と4四半期ぶりのマイナス成長となりました。IMFは、世界経済見通しにおいて2025年の日本の成長率を0.6%と見通し、1月時点の予測から0.5ポイント引き下げました。
日本銀行の予測どおりとなれば、消費者物価指数の上昇率は2022年度から4年連続で2%を超えることになります。
2024年10月に実施された第50回衆議院議員総選挙では、自民党派閥による政治資金パーティーの収入不記載問題などを受け、自民党が大きく議席を失い、自民・公明の与党で15年ぶりに衆議院で過半数割れとなりました。与党が過半数割れとなったことにより、野党の存在感が増しています。昨年12月には、28年ぶりに政府の予算案が国会審議で修正され、補正予算が成立しました。また、年収の壁の見直しをめぐっても、野党の意見が反映されるなど、近年にない動きがみられます。